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自己中心的な元セレブの転落っぷりがシリアス&毒とユーモアで:映画「ブルージャスミン」

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ウディ・アレン監督の映画ってラブコメディのイメージが強く
そしていくつかの作品を観たけれど
どれも苦手だった。

今回も、どうしようかなーと思いつつ
アカデミー賞主演女優賞にノミネートされている
ケイト・ブランシェットの演技が見たいと思って、試写会に。

この映画、おもしろい!ウディ・アレン監督すごいっ。

「ブルージャスミン」

リッチでハンサムな実業家の夫とNYで暮らしていた
ジャスミン(ケイト・ブランシェット)。
でも結婚生活も資産も全て失い、精神も病み、
質素な暮しをする妹が住むサンフランシスコへやってくる。
再起のために勉強や仕事をしようとするけれど
かつての暮しを忘れられず、抗うつ薬とウォッカに逃げる日々。
しかしあるパーティで、自分をリッチな生活に導いてくれそうな男性と出会い・・・。

そういうストーリー。

リッチだった過去と
惨めな現在を交互に描き
さらに彼女の悲惨なまでの転落っぷりが伝わって来る。

いつまでたっても現実を見ようとせず
お金がなくてもつい飛行機ではファーストクラスに乗り
つまらないお店でも、ひとり気取ってマティーニを飲む。
歯医者の受付の仕事をするときもシャネルジャケットとバーキン。

ケイト・ブランシェットが美しいだけに
虚栄とプライドの固まりの元セレブ役がぴったりはまっている。
現在のシーンになると
少し遠くを見ながら、誰もいないのに、延々と昔の思い出話を語ったり
すぐに泣きじゃくったり、精神状態もあやうくて
とにかくもうずっと、マスカラが取れまくって涙流したり汗流したりしてる感じ。

嘘つきで現実逃避ばかりしてて
いっこうに自立をしようともしないで
妹や周りを馬鹿にし続ける。

ジャスミンは、自分だけが被害者のように思っているけれど
過去のシーンからは驚くべき事実もわかってくる。

自己中心的で、わがままなのに
夢をもう一度!とジタバタしてるジャスミン。

でもこれだけ嫌な女なはずなのに
なぜか観ていると魅力に引き込まれ
哀しそうな彼女に共感してしまったりするのは、なぜだろう。
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シリアスなんだけれど
毒とユーモアもたくさん散りばめられていて
最後はモヤモヤしちゃったりするけれど、現実ってこういうことだよね。

どんなに現実逃避しようとも、人生は続いてるのだ。
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